2025/12/17、及川
PythonもTobiiも(仮想)環境構築も初心者なので、色々とごかんべんください。
心理実験をするためのパッケージPsychoPyと視線計測をするためのパッケージTobii Pro SDKをPython上で使って、視線計測を伴う心理実験のプログラムを作った。この”PsychoPy & Tobii Pro SDK on Python”環境は、pyenvでPsychoPyに適したバージョンのPython環境を作り、venvで仮想環境を構築した上に構築した。とりあえず刺激呈示と視線計測ができた。時間性能の検証はまだ。
| いれたもの | バージョン | |
|---|---|---|
| Python | 3.10.11 | |
| PsychoPy | 2025.2.3 | PyPI |
| pyenv | 2025.2.3 | |
| Tobii Pro SDK | 2.1.0 | PyPI |
心理実験プログラムのパッケージはPsychToolBox (PTB) とPsychoPyの2つがよく使われている。PTBはMATLAB上のパッケージで(多分)トップシェアだが、最近のバージョンは有料化され、かつMATLABも有料なので(ただしOctaveで代替できる)、データシェアリングに制約がある。一方PsychoPyは今のところ無料で、同時にPythonも無料かつ多くの人が使っているため、最近シェアを伸ばしてきているように感じる。またPsychoPyはBuilderというGUIツールを同梱しており、プログラミングが苦手な人でもある程度実験を組める。これはプログラミング経験が浅くなりがちな、例えば心理学、医学専攻の学生にとって有用である。
わたしはこれまでPTBを使ってきたが、この環境ゆえの問題をいくつか経験した。例えば学外にプログラムをシェアする場面で、先方がMATLAB不可であることがわかり、わざわざPythonに実装しなおしたことがあった。また同様に、MATLAB製の実験・解析プログラムを学外で使うことも、所属大学のライセンス契約上不可であった。わたし自身も所属や契約次第で今後MATLABが使えなくなる可能性があるし、現状無料となっている旧verのPTBもWindows環境が進むといずれ使用不可となる可能性が高い。ならばPsychoPy環境でも実験制御ができるようにしておくべきだと考えた。
そこで今回はPsychoPyを導入、ついでにTobiiアイトラッカーを使った視線計測もできるようにしてみた。
PsychoPyが動作を保証しているのはPython3.10っぽくて、それ以降(3.11-14)だとなんか挙動が怪しいことがあるときいた。けど、PsychoPyだけのためにPythonを古いままにしておくのはダルい。なので、PsychoPyを動かすためのPython環境とそれ以外の最新Python環境をどっちも作りたい。こういうときにpyenvが便利らしい。